2011/06/07 の dcmodel ネットミーティングのメモ書き

参加者

  • 北大
    • 石渡 正樹, 杉山 耕一郎, 山下達也
  • 神戸大
    • 林 祥介, 高橋 芳幸, 納多 哲史, 井谷 優花, 黒田 美紀, 山元治人, 河合佑太
  • 九大
    • 中島 健介

次回日程

  • 日時
    • 2010/06/14(火) 14:00-18:00
  • 場所
    • 神戸大 : 自然科学 3 号館 508
    • 神戸大 : 自然科学 4 号館 807
    • 北大 : 理学部 8 号館コスモスタジオ
    • 九大 : 理学部 3 号館 3605

deepconv の報告 (杉山)

バグの修正

  • 完了した
    • コンパイラをいくつか変えて修正した
    • 富士通のコンパイラでも make が通るようになった

残りの作業

  • ドキュメント作成
  • テスト計算
    • 二次元の計算

テスト計算

  • 二次元の計算を行い, arare4 と比較した
    • 音波の計算
    • トレーサーの移流
    • サーマル上昇の計算

dcpam5 を用いた雲の寿命に関する実験 (井谷)

概要

  • 雲の寿命を変えたときの, OLR と OSR の変化を調べた.
    • 移流がない場合とある場合の両方を計算した
  • 動機
    • 相変化を伴う物質をもつ大気があれば, 雲が発生するだろう.
      • そのような惑星の熱収支を dcpam で扱いたい.
    • OLR と OSR は, 雲の存在に強く影響される.
  • 目的
    • 雲の寿命を変化させた場合に OLR, OSR がどのように変化するのかを調べる
    • 現在の dcpam で雲水の水平移流項を無視していることが放射収支に影響しているのかどうかを確かめる
  • 雲水の扱いに対するコメント
    • 雲水の生成項は何で決まる?
      • 凝結量で決定している.
    • 雲粒は放射に対して何をする?
      • 短波放射の散乱と吸収, 長波放射の吸収 (散乱はしない).
      • ここでの放射はバンドモデルであり, バンドごとに異なる吸収係数を与えている

実験設定

  • 解像度: T21L22
  • 時間ステップ: 24 分
    • 出力間隔 (6 時間) が割り切れるように
  • 積分時間: 20 年
  • 雲水の消滅の時定数: 900, 1200, 1500 秒
    • 時定数τを選ぶ基準
      • 全球平均した放射 (OSR, OLR) 熱収支が合うようにフィッティング.
        • 高橋計算から, τ 〜 1200 とわかっている.
  • SST は観測値で与える

計算結果

  • 雲の寿命を変えた計算
    • OLR
      • 雲の寿命が延びるほど減少傾向 (移流の有無によらず).
    • OSR
      • 雲の寿命が延びるほど減少傾向 (移流の有無によらず).
    • 10 年全球平均した OSR と OLR の和 (OLR - OSR)
      • 移流がない場合
        • 雲の寿命が長いほど, OLR 過多となるが精度 1 桁で合っているのでモデルとしては信頼できるだろう.
      • 移流がある場合
        • 30 W/m^2 程度の OSR 過多が生じている.
    • OSR は OLR に比べて移流の有無に影響されにくいようだ

追加実験

  • 移流がない場合に, スペクトル法を用いた計算
    • 結果
      • 移流を含めて計算した結果と一致した
    • 上記の計算では, 移流の有無ではなく, スペクトル法の有無により結果が変わっていたようだ
  • 雲粒の粒径を変えた計算
    • デフォルトの値から変えたときに, 放射に影響があるようだ
      • OLR
        • 粒径を小さくしてもほとんど変わらない
      • OSR
        • 粒径が小さいほど O(10) ぐらい小さくなる
      • 物理はまだ分かっていない
        • 粒径が小さくなると数密度が大きくなるような実装だろうか? (石渡)
          • 実装のされ方を見てみよう
  • 海面温度分布をモデル内で計算する場合
    • OLR, OSR ともに約 6 W/m^2 ぐらい小さい
    • 放射収支は釣り合っている
      • 2 W/m^2 だけずれているが, モデルの精度の範囲である