ここでは Boris and Book(1973) によって提案されたオリジナルの FCT, 及び そこで示されている1次元移流方程式
の差分スキーム SHASTA(Sharp And Smooth Transport Algolithm) につい て解説する. FCTは後述する Zalesak(1979) による定義をもって与えられ るのが一般的であるが, FCT の基本的な考え方を知るためにまずはオリジ ナルの FCT について見ていくことにする.
Boris and Book(1973) は FCT には一般的に 2 つの段階(stage)があると している. その第一段階を輸送過程(transport stage), 第二段階を補正 過程(corrective stage)と呼んでいる. 輸送過程で生じた数値拡散を補正 過程で補うというのが FCT の基本的な考え方である.