また, 一般に計算機が読み書きする時には,
できるだけ大きな単位にまとめて行う方が効率がよいので,
ブロック化された形式の方が処理は早い.
書式なしのSEQUENTIALファイルでは, 通常VBS形式が使われる. この形式が最もFORTRAN規格とは整合性がよく, DD文などで何も指定しなければ, この形式が採用される場合が多い.書式つきの場合は, もともと, 特定の長さを持つデバイスに出力 することが多いので, F, FB なども使われる. この場合, プログラムが書き出すレコードの最大レコード長が, ファイルのレコード長を越えることがないように 注意しなければならない.
書式なしのデータをF, FB などに出力することは, FORTRAN の文法との整合性が悪いので, 禁止されているか, 制御コードを含む形式のファイルとして扱われる こともある. どちらにしても, ユーザーがブロック長などを指定するということは, 単なるFORTRANプログラマの知識を越えて, システム管理者的な知識が必要となり面倒である.
しかし逆に言えば, プログラムで行う処理の性質とシステムの特性の 両方を考慮して極限までチューンアップすることが可能である. 実際, メインフレーム系の計算機では, ブロック長などのパラメータの選び方でかなり処理速度に差が出る.
DIRECT ファイルで使えるのは固定長レコードのファイルだけである. DIRECT ファイルはランダムにアクセスすることが可能なので, ブロック化ができない. したがって, 順番にアクセスするならばSEQUENTIALの方が早くなる.一般的に, メインフレーム系の計算機では DIRECTファイルは扱いやすくないので, あまり使われていないようである.