これは,スペクトル(球面調和関数)変換を行なうサブルーチンパッケージであり, 球面調和関数展開の係数からグリッドデータ、およびその逆の変換を行なう. このパッケージは,データ解析を念頭において設計されており, 等間隔グリッドデータを扱えるという特長がある. また,スペクトルで与えられたデータの解析を念頭におき,逆変換系のルーチ ンを充実させている. このパッケージの内部ではFFTLIBのサブルーチンを用いている.
切断波数M(三角切断)のスペクトル逆変換は,以下のように表せる: G(λ,φ)=Σ^M_n=0Σ^n_m=-n S^m_nP^m_n(φ)e^imλ. または,ルジャンドル逆変換: W^m(φ)≡Σ^M_n=|m|S^m_nP^m_n(φ) を導入すると、 G(λ,φ)=Σ^M_m=-MW^m(φ)e^imλ と,ルジャンドル逆変換とフーリエ逆変換の積として表される. ここに,λ: 経度,φ: 緯度である.
また,P^m_n(μ)は2に正規化されたルジャンドル陪関数で,以下のように 定義される: P^m_n(μ)≡√(2n+1)(n-m)!(n+m)!}2^nn!(1-μ^2)^m/2 d^n+m}dμ^n+m}(μ^2-1)^n, ∫^1_-1P^m_n(μ)^2dμ=2.
また,スペクトル逆変換は以下のように表せる: S^m_n=4π∫^2π_0∫^π/2_-π/2 G(λ,φ)P^m_n(φ)e^-imλφ dφ dλ . 逆変換の場合と同様に,フーリエ正変換を, W^m(φ)≡2π∫^2π_0 G(λ,φ)e^-imλdλ と導入すると, S^m_n=∫^π/2_-π/2W^m(φ)P^m_n(φ)φ dφ と,フーリエ正変換とルジャンドル正変換の積として表される.
G(λ,φ)が実数であるとすると,S^m_nおよび W^m(φ)は以下の関係を満たしている必要がある: W^-m(φ)=W^m(φ)^* S^-m_n=S^m_n^* ここに, ^*は複素共役を表す. 従って,W^m(φ)およびS^m_nはm 0の範囲だけを求めれば 良い.さらに,上の制約から,W^0(φ)およびS^0_nは実数である.
本ライブラリは, スペクトルデータ(S^m_n) 等間隔緯度円上のウエーブデータ(W^m(φ_j)) 等間隔格子点上のグリッドデータ(G(λ_i,φ_j)) の逆変換を(1〜 3)式に基づいて行うルーチン群, 等間隔格子点上のグリッドデータ(G(λ_i,φ_j)) 等間隔緯度円上のウエーブデータ(W^m(φ_j)) スペクトルデータ(S^m_n) の正変換を(6〜8)式に基づいて行うルーチン群および そして,その他の補助ルーチン群よりなっている.
ここに,格子点の経度λ_i, 緯度φ_jは分割数I,Jによって 以下のように定められるものとする: λ_i=π iI, i=-I,-I+1,...,0,...,I-1,I , φ_j=π j2J, j=-J,-J+1,...,0,...,J-1,J .
SHTINT(MM,JM,IM,WORK) 初期化ルーチン SHTNML(MM,N,M,LR,LI) スペクトルデータの格納位置の計算 SHTLAP(MM,IND,A,B) スペクトルデータへのラプラシアン の演算 SHTS2W(MM,JM,ISW,S,W,WORK) スペクトルデータからウエーブデー タへの変換 SHTW2G(MM,JM,IM,W,G,WORK) ウエーブデータからグリッドデータ への変換 SHTS2G(MM,JM,IM,ISW,S,W,G,WORK) スペクトルデータから グリッドデータへの変換 SHTG2W(MM,JM,IM,G,W,WORK) グリッドデータからウエーブデータ への変換 SHTW2S(MM,JM,ISW,W,S,WORK) ウエーブデータからスペクトルデー タへの変換 SHTG2S(MM,JM,IM,ISW,G,W,S,WORK) グリッドデータからスペクトル データへの変換 SHTSWA SHTS2Wの下位ルーチン (MM,JM,ISW,M1,M2,S,W,WORK) (波数区間指定) SHTWGA(MM,JM,IM,M1,M2,W,G,WORK) SHTW2Gの下位ルーチン (波数区間指定) SHTSGA SHTS2Gの下位ルーチ (MM,JM,IM,ISW,M1,M2,S,W,G,WORK) ン(波数区間指定) SHTSWM SHTS2Wの下位ルーチン (MM,JM,M,ISW,S,WR,WI,WORK) (ある波数成分のみ) SHTWGM(MM,JM,IM,M,WR,WI,G,WORK) SHTW2Gの下位ルーチン (ある波数成分のみ) SHTSGM SHTS2Gの下位ルーチ (MM,JM,IM,M,ISW,S,WR,WI,G,WORK) ン(ある波数成分のみ) SHTSWZ(MM,JM,ISW,S,WZ,WORK) SHTS2Wの下位ルーチン(帯状成分の み) SHTWGZ(JM,IM,WZ,G) SHTW2Gの下位ルーチン(帯状成分の み) SHTSGZ SHTS2Gの下位ルーチン (MM,JM,IM,ISW,S,WZ,G,WORK) (帯状成分のみ) SHTSWJ SHTS2Wの下位ルーチン (MM,JM,ISW,J,M1,M2,S,WJ,WORK) (緯度指定) SHTWGJ(MM,IM,M1,M2,WJ,GJ,WORK) SHTW2Gの下位ルーチン(緯度指定) SHTSGJ SHTS2Gの下位 (MM,JM,IM,ISW,J,M1,M2,S,WJ,GJ,W ルーチン(緯度指定) ORK) SHTFUN(MM,JM,M,FUN,WORK) ルジャンドル陪関数の計算 SHTLFW(MM,JM,M,ISW,WM,SM,WORK) ルジャンドル正変換 SHTLBW(MM,JM,M,ISW,SM,WM,WORK) ルジャンドル逆変換
NUMAGUTI Atusi <a1n@gfdl.gov> Last Modified: Thu Aug 31 13:02:42 EDT 1995