雲の寿命に対する放射の変化 (RAS スキームを用いた場合)

概要

サブグリッドスケールの過程に関するテスト計算 で導入した 積雲対流スキーム (Relaxed Arakawa-Schubert scheme) とリチャードソン数の計算方法 (仮温度を用いて計算) を使って, 雲の寿命に対する放射の変化を調べた.

少し詳細な経緯

"サブグリッドスケールの過程に関するテスト計算" では, 放射の全球平均値が Trenberth et al. (2007) と異なる, 東西平均分布が NCEP の再解析データと合わないなど の問題があった.

また解像度 T21 と T42 で計算結果が大きく異なることも分かった. これらは大規模凝結のスキームを Manabe (1965) から Le Treut and Li (1991) へ変更した場合に生じるようである (こちら を参照されたい). さらに, 降水量が多すぎる点も問題であった (こちらは自分で確かめていないので要調査).

今回は, 標準的な解像度である T42 で計算し雲の寿命に対する感度を調べるために, 大規模凝結スキームには Manabe(1965) を用いる事にした.

更新履歴

実験環境

雲の寿命が 900, 1200, 1500, 1800 秒の実験は逐次計算で行った. 雲の寿命 2100, 2400 秒の実験は並列計算を用いて行った.

計算機名 : joho09-itpass

コンパイラ

依存するライブラリ (バージョン)

実験設定

考察メモ

結論と追加コメント

結果

OLR と OSR の全球平均値 (W/m^2)

雲の寿命(秒)        900.0d0           1200.0d0          1500.0d0          1800.0d0           2100.0d0          2400.0d0
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
移流なし   OLR  241.411927029786   239.166569856744  237.477684654863   235.901818578872  234.428501787574   233.077319104336
           OSR  241.411927029786  -243.91348817239  -239.805796627538  -236.156923288295 -233.284678896074  -230.481010342229

fig.1 / 長波放射の全球平均値

fig.2 / 短波放射の全球平均値 (縦軸 : -OSR)

fig.3 / 長波放射と短波放射の和

fig.4 / 長波放射と短波放射 (絶対値) の平均値, 地球の長波放射

fig.5 / 東西平均 OLR 分布, 雲の寿命 900 秒 (実線: dcpam による計算結果, 破線: NCEP 再解析データ)

fig.6 / 東西平均 OLR 分布, 雲の寿命 1200 秒 (実線: dcpam による計算結果, 破線: NCEP 再解析データ)

fig.7 / 東西平均 OLR 分布, 雲の寿命 1500 秒 (実線: dcpam による計算結果, 破線: NCEP 再解析データ)

fig.8 / 東西平均 OLR 分布, 雲の寿命 1800 秒 (実線: dcpam による計算結果, 破線: NCEP 再解析データ)

fig.9 / 東西平均 OLR 分布, 雲の寿命 2100 秒 (実線: dcpam による計算結果, 破線: NCEP 再解析データ)

fig.10 / 東西平均 OLR 分布, 雲の寿命 2400 秒 (実線: dcpam による計算結果, 破線: NCEP 再解析データ)

   

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