放射MTGメモ(2012/09/12)
参加者
- 倉本圭、石渡正樹、はしもとじょーじ、高橋康人、大西将徳
Nakajima et al. 1992の再現(大西)
- 対流圏界面の位置を動かしながら、成層圏の放射平衡を実現するプログラムの作成
- 計算のアルゴリズム
- 1. 湿潤断熱減率に従って上空まで温度、Fluxを計算
- 湿潤断熱減率の計算: RungeKutta, 光学的厚さの計算: 台形
- 2. 対流圏界面の計算(FluxConvergenceの正負判定)
- 3. 対流圏界面を挿入
- 4. 圏界面水蒸気混合比で成層圏を飽和
- 5. 成層圏の放射平衡計算
- 5.1 加熱
- FluxConvergenceがグリッドごとに正負を繰り返すときには温度を変えない
- 5.2 光学的厚さの決定
- 5.3 Flux, FluxConvergenceの計算
- 成層圏のTotal FluxConvergenceの微分が小さくなったらstep.6へ
- 成層圏のTotal FluxConvergenceの値が小さくなったら計算終了
- 5.1 加熱
- 6. 圏界面移動
- 7. 5-6をループ
- 1. 湿潤断熱減率に従って上空まで温度、Fluxを計算
- 計算コード
- https://www.gfd-dennou.org/GFD_Dennou_Club/dc-arch/dcrtm/model/onishi/Nakajima1992/nakajima_RadiatConvEqModel.f90
- 計算条件
- 地表温度: 300[K], 350[K], 水蒸気吸収係数: 0.01[m^2/kg], 非凝結気体吸収係数: 0[m^2/kg]
- 鉛直グリッド数: 500(300[K]の計算), 100(350[K]の計算)
- 計算結果
- 大気上端での上向き放射はNakajima et al.をよく再現している
- 圏界面付近の温度が収束していないように見える(圏界面を挟んで温度が上昇している)
- 計算のアルゴリズム
- 議論・検討事項
- 対流圏界面の計算
- 圏界面の挿入・移動にプログラム的なバグがあるように見える。要改善
- 圏界面がありそうな付近だけ細かくグリッドを切る方が、現実的かもしれない
- 圏界面を探すアルゴリズムは、圧力が等間隔になるようにLayerを分割しているが、ln(圧力)が等間隔となるように分割した方がよい
- Layerを分割する際、温度は直線近似で求めている。グリッドが細かければ、影響は小さいが、対流圏にあたる部分は湿潤断熱減率で計算した方が良い
- 加熱時の工夫
- FluxConvergenceが上下に正負の時は温度を変化させないが、負正の時には温度を変化させる、などの工夫をした方が良い
- FluxConvergenceと温度上昇について
- 現在のアルゴリズムではFluxConvergenceが計算される層を代表する温度、ではなく、その層の上下のグリッドを温度上昇させている。FluxConvergenceが与えられる層を代表する温度を計算できないか
- スタッガードグリッドを使う?
- 上空の水蒸気量が変化したら、全体の圧力も変化するプログラムとなっているのか
- 水蒸気と非凝結気体の分子量が同じ(18*10^-3[kg/mol])を仮定しているため、混合比が変わっても圧力変化はない
- 分子量が違うとすると、かなり計算は面倒
- 対流圏界面の計算
- To Do
- 対流圏界面計算の改善
- 地表面温度をさらに変えて計算
木星のガスの吸収線について(高橋)
- フラックス計算の改良
- 上向きフラックスも計算できるようになった
- 吸収線の計算
- メタンの計算が終わらない
- メタンは吸収線の数が多いため
- まずは分解能を落として計算するのがよい
- メタンの計算が終わらない
ワークショップ「トランジット観測によるスーパーアースの大気組成と起源の解明」
- 9/25(火), 26(水) @岡山
- 大西、高橋が参加、研究紹介も行う
- 大西:系外惑星大気の放射過程のモデリングおよびコード開発
- 高橋:放射計算に基づいたガス惑星の大気構造推定
科研費の申請
- 今やっている計算に関連していいネタがあれば出した方が良い
- 散乱、アルベドの効果を入れた計算をテーマにするのはどうか
次回の日程
- 9/20(木) 9:00- (9/17(月)は祝日のため)