[ 地球流体電脳倶楽部 / dcrtm / SIGEN ]
- 倉本圭、石渡正樹、はしもとじょーじ、高橋芳幸、高橋康人、大西将徳
- 1. LBLRTM のソースコードを読み、計算の仕方などを確認
- 1) line shift の温度依存性
- LBLRTM: line shift は、圧力と温度(Temperature_ref/Temperature)に依存する
- onishi: Rothman et al., 1998 に従い、line shift は、圧力のみに依存する
- onishiプログラムも温度依存性を導入する
- HITRAN data のAir pressure-induced line shift のパラメタの説明には, [cm-1 atm-1] at 296 [K]とある
- LBLRTM はよく検証されているコードである
- エネルギー収支を問題にする場合には、line shift はあまり本質的でない(分光観測には重要)
- line shift の物理はあまりよくわかっていない
- 実験からline shift のパラメタを決めている論文が何と言っているかを確認する
- 2) 入力データファイル(TAPE5)の設定について
- 入力データファイル(TAPE5)のRECORD 1.3: beginning wavenumber (V1), ending wavenumber (V2) に同じ値を入れると、プログラム内で別の波数が改めて設定され、その波数の光学的厚さが計算される
- V1, V2 は異なる値を設定して計算すると、V1, V2 に対応する光学的厚さが計算される
- V1, V2 とそれに対応する光学的厚さはTAPE6に出力される(TAPE5 RECORD 1.2 で MPTS = 1 とする必要がある)
- V1, V2 に異なる値を設定して光学的厚さを計算すると、onishi計算とよく一致する
- 計算条件
- 連続吸収なし
- 吸収線1本
- 吸収体: H2O (もっともドミナントな同位体)
- v: Vacuum wavenumber; 100.021385 [cm-1]
- S: Intensity;1.58E-20 [cm-1/(molecule cm-2)]
- g_air: Air-broadend half-width; 7.27E-02 [cm-1 atm-1]
- g_self: Self-broadend half-width; 0.439 [cm-1 atm-1]
- E: Lower-state energy; 8.83E+02 [cm-1]
- n_air: Temperature-dependence exponent for g_air; 0.56 [1]
- delta_air: Air pressure-induced line shift; 0.00 [cm-1 atm-1]
- 大気はUS standard atmosphere の最下層
- 計算結果
- 中心波数
- LBLRTM: 100.021 [cm-1]
- onishi: 100.02 [cm-1] (10-2 [cm-1]までしか計算していない)
- 波数 - 光学的厚さでグラフを描いた時の面積(98 - 102 [cm-1])
- LBLRTM: 236.41 [cm-1]
- onishi: 244.21 [cm-1]
- 3) 光学的厚さの計算手順について
- LBLRTM
- 1. 大気層の上端、下端の圧力、温度、分子の体積混合比が与えられる
- 2. 大気の上端下端の物理量から大気層を代表する圧力、温度を計算. また、大気層の分子数密度も分子ごとに計算
- 3. 上記で計算された、大気層を代表する圧力、温度、分子の体積混合比(分子の数密度から計算)をもとに吸収係数を計算
- 4. 吸収係数と分子数密度から光学的厚さを計算
- onishi: 大気層の上端下端の吸収係数を計算してから、大気層を代表する吸収係数を計算
- onishi プログラムで、LBLRTM と同様の手順で光学的厚さを計算すると、とても良い一致
- 計算条件
- 上の計算(1. (2))と同様
- 但し、大気層を代表する、圧力、温度、体積混合比、各分子の大気層内の分子数はLBLRTM による計算結果を使用
- 計算結果
- 中心波数
- LBLRTM: 100.021 [cm-1]
- onishi: 100.02 [cm-1] (10-2 [cm-1]までしか計算していない)
- 100.02 [cm-1]での光学的厚さ
- LBLRTM: 1066.9187
- onishi: 1066.769148
- 波数 - 光学的厚さでグラフを描いた時の面積(98 - 102 [cm-1])
- LBLRTM: 236.41 [cm-1]
- onishi: 237.37 [cm-1]
- 2. 高橋(康)さんのプログラムとの比較
- H2O 分子の一本の吸収線のみの大気で、吸収係数の計算を比較
- 計算条件
- 上の計算(1. (2)) と同様
- 但し、delta_air = -1.12E-03 [cm-1 atm-1]
- 高橋(康)さん計算中
- LBLRTM の使い方に関する解説論文
- 藤枝鋼, 深堀正志, 測候時報, 71(3), 59--127, 2004 「高分解能大気放射伝達モデル「LBLRTM」による大気の透過率・放射輝度等の計算方法
- mtg 資料
- To Do
- 多数の分子・吸収線を考慮して光学的厚さの計算を実行
- line shift の温度依存性を導入
- CO2 の吸収線は、sub-lorentzian を考慮せずに計算
- LBLRTM で sub-lorentzian 計算の設定など確認
- LBLRTM と光学的厚さのスペクトルを比較する
- 放射計算
- 25000 [cm-1] までの吸収線を計算
- line by line 計算による吸収係数と、特定の温度、圧力であらかじめ用意された吸収係数のテーブルから内挿したものの検証
- 太陽放射の導入した放射計算
- その他
dcmodel Development Group / GFD Dennou Staff
Last Updated: 2013/05/01, Since: 2013/05/01