放射MTGメモ(2015/11/16)

参加者

  • 倉本圭, 石渡雅樹, はしもとじょーじ, 高橋芳幸, 高橋康人, 大西将徳

系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)

  • 水蒸気混合大気の line-by-line 放射計算で確認された高温成層圏の物理を理解するために, 惑星放射による冷却率の考察を行った.
    • モデル
      • 対流圏は飽和.
      • 成層圏は等温.
      • 成層圏の水蒸気体積混合比は圏界面に一致.
      • 圏界面に下層から入射するフラックスは, 圏界面より下層の光学的厚さ 1 の層からやってくると仮定.
      • 散乱なし.
      • 赤外放射のみ考慮 (0 - 3000cm-1).
      • 吸収断面積の与え方は 2 種類.
        • 灰色モデル: 適当な吸収断面積 (1e-20 〜 1e-30 m2) を与える.
        • 非灰色モデル: 以前の line-by-line 放射計算の計算結果に基づいて与える.
      • 圏界面に入射する上下からの放射と, 圏界面が射出する放射により圏界面での正味冷却率を計算.
    • 灰色モデルの結果
      • 圏界面の温度が低いときには, 冷却率は負 (加熱になっている).
      • 圏界面温度の上昇とともに, 冷却率は大きくなり, その後減少.
      • さらに圏界面温度が上昇すると, 冷却率は再び負になり, その後 0 に漸近する.
      • 吸収断面積が大きいほど, 冷却率が負から正に転じる圏界面温度は小さくなる.
      • この圏界面温度が低温成層圏に対応する.
    • 非灰色モデルの結果
      • 灰色モデルと似たような冷却率の圏界面温度依存性が得られた.
      • 低温成層圏は, 太陽加熱がなくても存在する.
      • 高温成層圏は, 太陽加熱がなければ存在しない.
    • 議論, コメントなど.
      • 圏界面に下から入射するフラックスは光学厚さ 1 付近の層からやってくる.
      • 圏界面の射出と, 上層からの放射の吸収をあわせた冷却率の圏界面温度依存性 (Bv(T)* (1+exp[-tau])) の傾きは必ず負になるのか?
      • 今回検討したモデルだと, 圏界面温度が高くなると, 圏界面温度が無限大になってしまう.
        • 圏界面温度が高くなると成層圏の温度勾配が無視できなくなるので, このような条件ではモデルが破綻している.
      • 高温成層圏は, 太陽光による加熱と惑星放射による冷却のバランスで現れると期待される.
        • 太陽光による加熱を考慮して高温成層圏が現れるか確認する.
    • To Do
      • 太陽光による加熱を考慮して高温成層圏が現れるか確認する.
  • mtg 資料

木星大気の放射計算 (高橋康)

  • DPS の報告
    • NH3 混合比の放射冷却率への影響
      • 圏界面付近の放射冷却率に NH3 の寄与が大きいという発表を行った.
      • 観測では, 飽和蒸気圧曲線より NH3 が少ないというコメントをもらった.
      • 観測で得られている NH3 のプロファイルと, 高橋モデルで与えたプロファイルを比較する.
      • 観測で得られた NH3 プロファイルで放射冷却率の寄与を計算してみる.
  • 論文執筆の方針
    • Letter の執筆
      • 11 月末までに投稿する.
      • 内容は以下に絞る.
        • 杉山計算の quiet period ベースにした放射計算の紹介.
        • Galileo 観測との比較.
    • Full paper の執筆
      • 2 月頃の投稿目指す.
      • Letter で書けなかった内容を盛り込む.
    • 学位論文
      • 6 月終了も視野に考えている (高橋康)
      • Letter が 11 月までに投稿できるなら, 3月終了は可能なのではないか (by 倉本)

系外惑星大研究会

  • 日程: 2016/2/20 (土) - 2/24 (水)
  • 場所: ホテル日航八重山 (予定)
  • 研究会のアナウンスは, 近日中に流れる予定.
  • 発表は英語.
  • この時期の石垣島は混むので, 早めに航空券など確保を.

次回の日程

  • 11/24 (火) 9:00-