付録 A: 負の雲密度の発生を防ぐ処置に関して

本もデルでは中央差分を用いることで生じる負の雲密度を防ぐ為, 全質量が保存 されるように負の雲密度の穴埋めを行なっている. 雲密度に対する穴埋めを行なう関数 FillNegativeMMC の中の式を具体的に書き 下すと, 以下のようになる.

236#236 12#12 237#237 238#238 239#239 240#240 241#241 242#242 243#243 244#244

245#245 (A.1)

246#246 12#12 247#247 248#248 249#249 250#250 251#251 252#252 253#253 254#254 255#255 256#256

257#257 (A.2)

258#258 12#12 259#259 (A.3)

但し, 222#222 は穴埋め前の雲密度, 260#260 は穴埋め後の雲密度, 261#261 は穴埋めする量である. 例えばある一点のみで雲密度が負となった場合, この関数は負の点がゼロとなる ように隣接する点と 2 つ隣の点から雲を削って埋める. その際, 隣接する各点は埋める量全体の 262#262 を負担し, 2 つ隣の各点は埋め る量全体の 263#263 を負担する.

以下では, 単純な場合として, ある一点 264#264 のみ穴埋め前の雲密 度が負である場合に, 穴埋め前後での全雲質量が保存されることを示す. ある一点 264#264 のみ穴埋め前の雲密度が負であるとき, A, B より 265#265 以外の点では 266#266 となる. 以上の 9 点での 261#261 を書き下すと,

267#267 12#12 268#268

269#269 (A.4)

270#270 12#12 271#271

272#272 (A.5)

273#273 12#12 274#274

275#275 (A.6)

276#276 12#12 277#277

278#278 (A.7)

279#279 12#12 280#280

281#281 (A.8)

282#282 12#12 283#283

284#284 (A.9)

285#285 12#12 286#286

287#287 (A.10)

288#288 12#12 289#289

290#290 (A.11)

291#291 12#12 292#292

293#293 (A.12)

となる. 但し

294#294 12#12 295#295 296#296 297#297

298#298 (A.13)

である. 従って

299#299 12#12 300#300

12#12 301#301 302#302 303#303 304#304 305#305 306#306

12#12 307#307 308#308 309#309 310#310 311#311 312#312

12#12 307#307 313#313

12#12 314#314 (A.14)

となるので, 穴埋め前後での質量は相等しい.

同様に雲密度が負である点が複数ある場合についても,穴埋め前後で質量は保存 されると考えられる.