arare3m を用いて Odaka et al. (1998) の計算を行った. 静止した安定な大気層の最下層に温度擾乱を与えた時の流れ場の様子を 6 モデル時間計算している. 物理過程にはオリジナルと同じものを用いている. すなわち, 放射過程として高度 5 km 以下の領域に一様冷却を与え, 地表面過程として地表面温度およびバルク係数一定のバルク法を用いた.
今までのプログラムと比べて異なる点は 乱流拡散係数の計算部分で, 浮力に伴う乱流拡散係数の変化を計算する際, 基本場の温位の勾配を考慮するようにしたことである. この修正に伴い, 2005-09-17など で示されている, 基本場の温位の拡散を考慮すると温位分布が 階段状になるという問題が解決された.
計算は Dual Pentium III 1 Ghz を搭載した PC で行った. 計算に要した実行時間はおよそ 1 時間半である.
ソースプログラム | arare3m-20051005 |
基本場の温度 | 高度 5 km 以下は温位 245 K, 高度 5 km 以上では温度 220 K |
基本場の圧力 | 静水圧平衡 (地表面で 700 Pa) |
温度の初期擾乱 | 最下層に最大振幅 2 K のランダムな擾乱を与える |
圧力の初期擾乱 | なし |
風速の初期値 | u = 0 m/s , w = 0 m/s |
放射加熱 | 高度 5 km 以下で -50 K /day の一様冷却 |
地表面フラックス | バルク法(バルク係数は熱, 運動量ともに 0.01 で一定, 地表面温度 270 K で固定) |
重力加速度 | 3.72 m/s2 |
粘性 | Klemp and Wilhelmson (1978). Cm = 0.2 |
時間フィルタ | あり (係数は 0.1) |
数値粘性 | あり (5.0 x 10-4) |
計算領域 | 水平 25.6 km x 鉛直 10 km |
格子点間隔 | 水平 200 m x 鉛直 200 m |
積分時間 | 6 時間 |
時間ステップ | 長い: 3 秒, 短い: 0.3 秒 |
境界条件 | 水平: 周期, 鉛直: free-slip |
数値解法 | 水平: 陽解法, 鉛直: 陰解法 |