行った実験と結果


実験の設定

EISMINT(European Ice Sheet Modeling Initiative)の phaseI のbenchmark (Heybrechts et.al) を 2 次元氷床モデルを用いて 行った. 以下は実験の設定概要

計算領域:水平 1500 km
格子間隔: 水平 50 km, 鉛直 11 層非等間隔(下部 0.02 刻, 上部, 0.15 刻)
基盤高度 0 m, 氷床の荷重による変形なし
流動における温度依存性なし.

境界条件, 正味のかん養量 Ms, および表面温度 Ts は 次の 2 通りで与える.

1. fixed margin:

領域の端で氷厚を 0 とする. 正味のかん養量は 場所・時間によらず, 一定(Ms = 0.3 m/yr). 表面気温は頂上からの距離に依存する(Ts = 239 K + (8 × 10^(-8))d^3. d は 頂上からの距離.).

2. moving margin:

正味のかん養量は次の分布を与える.
Ms = min[0.5, 0.01(Rel - d)].
Rel はかん養域と消耗域の境界から頂上までの距離(ここでは 450 km). 表面気温は地表面で一定(270K)とし, 断熱温度減率 0.01 K/m で減少する.
Ts = 270 - 0.01 H

実験では上記条件での定常解と境界条件を周期的に変えた時の振舞を確かめる. 定常解は氷なしの状態から 200,000 万年積分して求める. 境界条件を周期的に変化させる場合の実験では それぞれの定常解を初期条件として, 境界条件を sin 型で変化させる.

周期 Tc は 20,000 年および 40,000 年の 2 通りで実験する

結果

1-1. The fixed margin experiment

定常解

氷厚分布
質量フラックス分布
x=400 km における水平速度
頂点における鉛直速度
温度分布
白抜きの場所は融解点を越える場所
頂点における温度分布
x =350 km における温度分布
底面における温度分布

かん養量および表面温度を周期的に変化させる実験

氷厚分布の時間変化
x = 350 kmにおける質量フラックスの変化
頂点における底面温度の時間変化

1-2. The moving margin experiment

氷厚分布
質量フラックス分布
x=400 km における水平速度
頂点における鉛直速度
温度分布
白抜きの場所は融解点を越える場所
頂点における温度分布
x =350 km における温度分布
底面における温度分布

かん養量および表面温度を周期的に変化させる実験

氷厚分布の時間変化
x = 350 kmにおける質量フラックスの変化
頂点における底面温度の時間変化

最終更新日: 2004/02/06 Copyright © 2004 choji