4-2-1. 断熱温度減率 (1) 断熱温度減率の計算方法 空気塊のエントロピーと空気塊から除去された凝縮物質のエントロピーとの和を保存する = 擬断熱 熱力学関数 G の T に関する偏微分はエントロピーである. 今や G は計算できるので, エントロピーも簡単に計算できる. 凝結物質は空気塊から離脱する(空気塊に含まれる元素は降水過程を通して減少する) 空気塊のエントロピーと離脱した凝結物質のエントロピーの和が保存する 手順 1. 計算開始時の温度 T = T0, 圧力 p = p0 における平衡状態, エントロピー S(T,p) を求める. 凝縮が生じた場合は凝縮物質を除去し, 空気塊のエントロピーは気相だけのエントロピーに 等しいものとする 2. 圧力を p + dp にする. 3. 温度を T から dT づつ k 回ずらした点 (T + k dT) でのエントロピー S(T + k dT, p + dp)を計算し, S(T, p) の値と一致する温度を求める. 4. 凝縮物質を除去し, 空気塊のエントロピーは気相だけのエントロピーに等しいものとする (擬断熱の条件). 気相だけのエントロピーを新たに S(T,p)として定義する. 5. 手順 2--5 を規定回数繰り返す.