第2.2節で扱ったデータを用いて, コンターラインをユーザー の好みで制御することを考えてみましょう(u2d1).
# u2d1.rb
require "narray"
require "numru/dcl"
include NumRu
include Math
nx = 37
ny = 37
xmin = 0
xmax = 360
ymin = -90
ymax = 90
drad = PI/180
p = NArray.sfloat(nx, ny)
#-- data ---
for j in 0..ny-1
  for i in 0..nx-1
    alon = (xmin + (xmax-xmin)*i/(nx-1)) * drad
    alat = (ymin + (ymax-ymin)*j/(ny-1)) * drad
    slat = sin(alat)
    p[i,j] = 3*sqrt(1-slat**2)*slat*cos(alon) - 0.5*(3*slat**2-1)
  end
end
#-- graph ---
iws = (ARGV[0] || (puts ' WORKSTATION ID (I)  ? ;'; DCL::sgpwsn; gets)).to_i
DCL::gropn iws
DCL::grfrm
DCL::grswnd(xmin, xmax, ymin, ymax)
DCL::grsvpt(0.2, 0.8, 0.2, 0.8)
DCL::grstrn(1)
DCL::grstrf
DCL::usdaxs
DCL::udsfmt('(F4.1)')
DCL::udgcla(0.0, 1.4, 0.2)
DCL::udsclv(-1.0, 3, 4, 'abc', 0.028)
DCL::uddclv(0.6)
DCL::udcntr(p)
DCL::grcls
   
program u2d1   
 
   
   
デフォルトではラベル付きの太線が1本おきに引かれますが, これをメジャー   
ラインとよびます. このメジャーラインに付いているコンターラベルのフォー   
マットは, udsfmt ルーチンで設定できます. 29行めのように, 指定す   
るフォーマットを文字型で与えます. コンターラインにつけるラベルは, コン   
ターレベルを決定するルーチンの中で生成されますから, udsfmt ルー   
チンはコンターラインを生成するルーチン(udgcla や udgclb)の   
前に呼ばなければなりません.   
   
   
   
   
コンターラインの生成ですが, ここでは, udgcla ルーチンで等間隔の   
コンターレベルを生成します. 最初の2つの引数がコンターレベルの最小値と   
最大値で, 30行めの例では負のコンターは描かれません. 最後の引数は刻み   
幅ですが, これが負の時にはその絶対値程度の本数のコンターレベルを生成し   
ます.   
   
   
   
   
これらのルーチンでは, 等間隔のコンターレベルしか生成されません. もしも,    
不等間隔のコンターレベルを指定したい場合や, 特定のコンターレベルを追加   
したい場合は, 31行めのように udsclv ルーチンで1本1本のコンターレ   
ベルを生成します. 最初の引数がコンターレベルの値で, 残りの4つがコンター   
ラインの属性です. 順に, ラインインデクス, ラインタイプ, ラベル, V-座標   
系におけるラベルの大きさ, です. 逆に, ある1本のコンターレベルを無効に   
するには uddclv ルーチンを呼びます. 引数はコンターレベルの値で,    
この例では, 0.6の等高線を描いていません. また, すべてのコンターレベル   
を無効にするには udiclv ルーチンを呼びます.   
   
   
   
あとは, 同じ udcntr ルーチンを呼ぶだけです. このプログラムを実行すると, 次のようなメッセージが出るはずです.
*** MESSAGE (udcntr) *** INAPPROPRIATE DATA WILL BE MODIFIED INTERNALLY.udcntr では, ある格子点での値がコンターレベルと等しい時に, 格子 点値をわずかにずらして作画し, このようなメッセージを出力します. たいて いの場合, このメッセージを気にする必要はありません.
*** MESSAGE (-CNT.-) *** Z( 1, 1)= -1.00000000 ===> -1.00000119
もう少しコンターラインにこだわってみましょう. 次のプログラム u2d2 では, 内部変数を変更することにより, コンターラインをコントロール しています. UDPACK メソッド(元サブルーチン)パッケージで使用する内部変数の参照と変 更は, udpget と udpset のルーチンで行ないます. ここで, p は, 内部変数の型によって l(論理型), i(整数型), r(実数型)のどれかをとります. この例では, 内部変数 'LABEL' を .false. にして, メジャーラインにラベルを付けないようにします. 'LDASH' も .false. にして正も負も同じラインタイプでコンター ラインを描くことにします. また, その時のラインタイプを 'ISOLID' で2(破線)と指定しています. さらに, 'ICYCLE' を4として, 4本に1本 の割合でメジャーラインを引くことにします. 結果は, 正負の区別もつかず, わけのわからない等高線図となってしまいましたが, このような機能もあると いうデモンストレーションです.
# u2d2.rb
require "narray"
require "numru/dcl"
include NumRu
include Math
nx = 37
ny = 37
xmin = 0
xmax = 360
ymin = -90
ymax = 90
drad = PI / 180
p = NArray.sfloat(nx, ny)
#-- data ---
for j in 0..ny-1
  for i in 0..nx-1
    alon = (xmin + (xmax-xmin)*i/(nx-1)) * drad
    alat = (ymin + (ymax-ymin)*j/(ny-1)) * drad
    slat = sin(alat)
    p[i,j] = 3*sqrt(1-slat**2)*slat*cos(alon) - 0.5*(3*slat**2-1)
  end
end
#-- graph ---
iws = (ARGV[0] || (puts ' WORKSTATION ID (I)  ? ;'; DCL::sgpwsn; gets)).to_i
DCL::gropn iws
DCL::grfrm
DCL::grswnd(xmin, xmax, ymin, ymax)
DCL::grsvpt(0.2, 0.8, 0.2, 0.8)
DCL::grstrn(1)
DCL::grstrf
DCL::usdaxs
DCL::udlset('LABEL', false)
DCL::udlset('LDASH', false)
DCL::udiset('isolid', 2)    
DCL::udiset('icycle', 4)    
DCL::udcntr(p)
DCL::grcls
  
program u2d2   
