CReSS4ICE 20180525 progress

CReSS4ICE オリジナルコードテスト

目標

4ICE 版のテストと各プロセスでの生成率を出力できるように変更する.

現状

  • スーパーセルの理想化実験結果
    • CReSS3ICE と 4ICE による比較.
    • 領域平均降水量 (単位: mm/min)
    • 領域平均雲物理量鉛直分布.
      • 降水システムの成熟期 (積分開始 30 分後のスナップショット).
      • 雲水, 雲氷の分布が 3ICE より 4ICE で減少.
        • 雨, 雪の分布が 4ICE で 3ICE より増加.
    • 領域平均生成量鉛直分布
      • CPH3: 混合比, 数濃度.
      • CPH4: 混合比, 数濃度.
        • CPH3 で見られる顕著な上層での qi は deposition による生成が寄与.
        • CPH4 で雪が多いのは, 雪から先への変換がとても小さい.
        • CPH3 であられが多いのは, Collection プロセスで他のカテゴリから活発に変換.

CReSS4ICE コード修正

目標

雲水の数濃度を CReSS の飽和調節時ではなく, NHM の数濃度生成ルーチンに変更する.

現状

  • β版は完成, CReSS に実装しテストを行った.
    • プログラムが動作することを確認.
    • 飽和調節後の数濃度生成は予報変数に対してのみ行う.
      • CReSS のリープフロッグによる 1 ステップ前への飽和調節後の数濃度生成は行わない.
      • 混合比の生成があるのに数濃度の生成がないため, qc>0 かつ nc=0 の状態が成り立つ. 粒子の落下速度計算などで, nc を分母にもつ計算でエラーとなる.

テスト計算時の問題

NCI の最大値が 1.4e9 kg-1 程度に急増した後, オーバーフローする.

  • 可能性のある原因
    • 過飽和度が大きすぎる.
      • ソースコードと定式化を再チェック.
      • コード, 定式化ともに恐らく問題なし.
    • sat_adj.f90 における 2 種類の上限値が未定義のため, 機能していない.

      swcrt_max  ! 診断される過飽和度の上限
      qncw_max   ! 雲水数濃度の生成量上限
      • 1 ステップでの雲水数濃度生成量に上限 (1.0e7 kg-1) を設けると, 問題なくなった.
    • 不明変数 rdnsg2t が存在することによる?
      • 定式化文書に従うと, 大気密度の逆数になっているので, 現状は rdnsg2 を用いている.

今後

  • 2 回目の飽和調節自体を行わないようにして確認.
  • 問題ない場合, 3ICE, 4ICE オリジナル版と空間分布, 生成量等を比較する.
  • 氷の飽和調節は廃止.
  • 雲水数濃度生成係数 C を m-3 ではなく kg-1 にして定式化し直す.