後期重爆撃期と小惑星 (2):
後期重爆撃期の要因, 天体軌道の共鳴

不定な物事だらけ

後期重爆撃期の要因説(1) 惑星集積の自然な延長との考えは, 最近の研究では起こりそうにない, という結論に至った

後期重爆撃期の要因説(2) 巨大小惑星の衝突破壊 共鳴帯付近での衝突と破壊 発生条件は厳しい

後期重爆撃期の要因説(3) 小惑星帯のカオス的軌道拡散 継続的に起こる, 突発的な Cataclysm を説明しにくい

後期重爆撃期の要因説(4) 失われた第 5 惑星説 火星の外側 (2AU付近) に惑星が存在したと仮定 数億年後に軌道が不安定となって, 小惑星帯に突入 他の惑星の軌道を乱すほど大きくない

後期重爆撃期の要因説(6) 小惑星帯の共鳴移動

共鳴(1): 平均運動共鳴(1) 公転周期の共鳴 木星と 3:1 共鳴にある小惑星の運動の計算 共鳴 = 不安定というわけではない 2 体の場合は単に離心率が周期的に変化するだけ 他の天体があるとさらに離心率が乱されて, 最終的に太陽系外へ

共鳴(2): 永年共鳴(1) 軌道の歳差運動の周期が簡単な整数比になる 惑星が複数ないと起こらない 土星の歳差運動は木星の影響によって起こる

共鳴(2): 永年共鳴(2)

強制振り子と共鳴(1)

強制振り子と共鳴(2)

メインベルトの共鳴帯(1)

メインベルトの共鳴帯(2) 共鳴帯では小惑星が存在しない(数字は木星との共鳴) ν6 永年共鳴帯は小惑星帯の内側の境界

メインベルトの共鳴帯(3) 外側の共鳴帯にある小惑星は, 木星に遭遇して太陽系外へ散乱 計算結果ではそのようになる

後期重爆撃期に関する情報 クレータサイズ分布に着目する

クレータのサイズ分布

よく使われる省略記号

天体の軌道要素(1)

天体の軌道要素(2)

参考文献

• Bottke, W.F., H.F. Levison, D. Nesvorny, L. Dones, Can planetesimals left over from terrestrial planet formation produce the lunar Late Heavy Bombardment?, Icarus 190, 203-223 (2007)
• Chambers,J.E., J.J.Lissauer, A New Dynamical Model for the Lunar Late Heavy Bombardment, 33rd Lunar and Planetary Science Conference (2002), Abstract#1093
• Gomes,R.,H.F.Levison, K.Tsiganis, A.Morbidelli, Origin of the cataclysmic Late Heavy Bombardment period of the terrestrial planets, Nature 435, 466-469 (2005)
• Levison H.F., L.Dones, C.R.Chapman,S.A.Stern,M.J.Duncan,K.Zahnle, Could the Lunar "Late Heavy Bombardment" Have Been Triggered by the Formation of Uranus and Neptune?, Icarus 151, 286-306 (2001)
• Morbidelli A., D.Nesvorny, Numerous Weak Resonances Drive Asteroids toward Terrestrial Planets Orbits, Icarus 139, 295-308 (1999)
• Morbidelli,A.,J-M.Petit,B.Gladman,J.Chambers, Meteoritics & Planetary Science 36, 371-380 (2001)
• Yoshikawa,M., A survey of the motions of asteroids in the commensurabilities with Jupiter, Astron.Astropys. 213, 436-458 (1989)
• Zappala,V.,A.Cellino, B.J.Gladman,S.Manley, F.Migliorini, NOTE: Asteroid Showers on Earth after Family Breakup Events, Icarus 134, 176-179 (1998)