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2.5 属性と変数との違い

データの塊を処理するために使われる変数に 対し、属性は補助的なデータやデータに関する情報のために使用されます。 NetCDFのオブジェクトに関連し、属性に格納された補助的なデータの総量は通常、メモリ上に十分保存できます。それに対し、変数は全体をメモリ上に保管するにはしばしば大きすぎ、 処理するために分割する必要が出てきます。

属性と変数の異なる点はまだあります。それは変数は多次元であることができることです。属性は全てスカラー(単一数値)もしくはベクトル(一方向に既定された次元)です。

変数はデータ値を割り当てられる前に名前・タイプ・形を定義されます。ですから値の無い変数が存在することもあります。属性の値は作成時に指定する必要があるので、値の無い属性は存在しません。

変数は属性を持ち得ますが、属性は属性を持つことが出来ません。変数に割り当てられた属性は変数と同じ単位を持つことが出来ます(例えば valid_range )。単位の無い属性というのも可能です(例えば scale_factor )。 関連する変数と異なる単位を使用するデータを格納したい場合には属性よりも変数を使うことをお薦めします。 より一般的には、データが説明のための補助的データを必要としたり、多次元であったり、データの値の指標として定義されたNetCDF次元を必要としたり、格納量が多大である場合には場合には 、データは属性よりも変数として表現されるべきでしょう。


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