9 NetCDFファイルの構造と性能
この章では、NetCDFの性能について理解するのに必要なNetCDFのファイル構造の詳細を説明します。
NetCDFは配列指向のデータアクセスのためのデータ抽象化であり、その抽象化をサポートするインターフェースの具体的な実装を与えるソフトウェアライブラリです。この実装によって配列を表現するための機種独立型のフォーマットを提供します。NetCDFファイルフォーマットはインターフェースの表面からは見ませんが、現行の実装と関連するファイル構造をいくらか理解していれば、どのNetCDF操作が他よりコストがかかるか明らかになるでしょう。
NetCDFフォーマットの詳細に関しては、Appendix B「ファイルフォーマット仕様」(p.119)を参照してください。フォーマットの知識が無くても、NetCDFデータの読み書きや効率に関する問題点のほとんどを理解することが可能です。文書化されたインターフェースのみを使い、フォーマットに関しては何の仮定もしていないプログラムは、将来NetCDFフォーマットが変更されても機能しつづけます。それは、フォーマットの変更はすべて文書化されたインターフェースの下層で行なわれ、かつ、以前のバージョンのNetCDFファイルフォーマットはサポートされるからです。
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