t と q の分布を変えると長波放射加熱率がどのように変わるのか, のカンを養うために, 基本場 SST 温度を変えた時の t, q, qradl の絵を描いてみました.
もう何だか因果関係よく分からず頭ぐるぐるしてきました.
使ったデータ:
プログラム:
標準実験 (con) の 基本場 SST の値を変えた実験シリーズ名は baseSST としていた. 実験ケースは, 以下の 7 種であり, それぞれの実験ケースの結果は以下に示す色で表す. 色とともに示してある温度は, 標準実験(con) からの偏差である (参考: 標準実験(con) の sst ピーク値は 3.01127e+02 ).
[赤] 4K (bSSTa), [緑] 3K (bSSTb), [青] 2K(bSSTc), [黄] 1K(bSSTd), [黒] 0K (con), [紫] -1K (bSSTe), [水] -2K(bSSTf), [桃] -3K(bSSTg)
昔の結果:
温度, 比湿は, 対流圏界面まではどの高さでも, 基本場 SST の高い方が値が大きい. 長波放射加熱率を見ると, 最下層 (sigma = 1.0 -- 0.9) では基本場 SST によらず値はほぼ同じであるが, その後それぞれの値は離れて SST が高い方が加熱率が大きくなり (sigma = 0.8), さらにその後 sigma = 0.7 -- 0.6 でひっくりかえって, SST が低い方が加熱率が大きくなっている.
吸収バンド分解図を見ると, bSSTa は bSSTg に比べて水蒸気吸収バンド (青, 橙, 水) による冷却部分が上層に持ちあがっていて, 大気の吸収バンド (紫) による加熱部分が上層に持ちあがって冷却部分の値が大きくなっているように見える. ちなみに adj の baseSST は, 基本場 SST が高い方が, MJO っぽい東進現象がきれいに見えていた…ような気がする.
石渡さんは, 吸収バンド分解図で言うところの bSSTa から bSSTg のような形にするように吸収係数を変えられないか? と言っていたと記憶しているが, それは一体どうしてだろう?
adj700bSST[a-g]1000:
[左]温度, [中央]比湿, [右]長波放射加熱率
t-zonal-y32-bSST adj 温度 (x=0, y=32) |
q-zonal-y32-bSST adj 比湿 (x=0, y=32) |
qradl-zonal-y32-bSST adj 長波放射加熱率 (x=0, y=32) |
吸収バンドの分解図:
[左]長波放射フラックス, [右]長波放射加熱率
mradl-study-bSSTa-adj 長波放射フラックス, 長波放射加熱 (baseSSTa-adj) |
mradl-study-con-adj 長波放射フラックス, 長波放射加熱 (con-adj) |
mradl-study-bSSTg-adj 長波放射フラックス, 長波放射加熱 (baseSSTg-adj) |
kuo, adj の温度分布はかなり似通っているが, 長波放射加熱率分布の形は大分違う. kuo, adj の比湿の分布は結構違うので, adj, kuo の放射加熱率分布の形の違いは比湿の分布の影響が大きいのだろう…. (温度固定して比湿だけ変えたり, 比湿固定して温度だけ変えたりしてみたらいいのかな…. やってみよう…. )
吸収バンド分解図を見ると, 先に adj で述べた bSSTa, bSSTg の構造の違いが kuo ではますます顕著になっている. kuo の baseSST の MJO 的東進現象はどちらの方がきれいに見えてたっけな….
kuo700bSST[a-g]1000:
[左]温度, [中央]比湿, [右]長波放射加熱率, [上段] y=32 [下段] y=30
吸収バンドの分解図:
[左]長波放射フラックス, [右]長波放射加熱率
mradl-study-bSSTa-kuo 長波放射フラックス, 長波放射加熱 (baseSSTa-kuo) |
mradl-study-con-kuo 長波放射フラックス, 長波放射加熱 (con-kuo) |
mradl-study-bSSTg-kuo 長波放射フラックス, 長波放射加熱 (baseSSTg-kuo) |