GRPACK : 初期化制御ルーチン

概要

GRPACK はGRPH2の各種パッケージを使って新しい図を描くとき, これらのパッケージを初期化したり, 変換関数に関するパラメータを(実行時オプションの介入を許して) 設定するものである. 現在のところ SGPACK, UZPACK, UUPACK, USPACK, UMPACK の初期化をおこなっている.

GRPACK は基本的に GRPH1 の「コントロール」および「正規化変換」に 関するルーチンに相当するものを用意している. たとえば GRPACK には,SGFRM に相当する GRFRM という ルーチンがある. これは内部的に SGFRM などを呼ぶと同時に, 各種パッケージの初期化をおこなう. 初期化動作としては,GRPH2 でのサブパッケージが自動的に決める 可能性のあるパラメタに,「未定義」の値を代入したりする. (具体的には,GLpGET/GLpSETが管理する内部変数 'RUNDEF', 'IUNDEF'が示す値を代入する.) また SGSTRF に相当する GRSTRF というルーチンがある. これは内部的には,正規化変換に必要なパラメータがすべて設定されている (RUNDEF でない)ことをチェックした上で SGSTRF を呼ぶ.

さらに GRPACK で設定するパラメータについては, 実行時オプションの介入がおこなわれる. たとえば SGOPN に相当する GROPN というルーチンを使うと, 指定するワークステーション番号は実行時オプションで 変更できる.

サブルーチンのリスト

以下のリストでは,対応する GRPH1/SGPACK のルーチン名を括弧内に示す.

コントロール

                                        
  GROPN (SGOPN)   出力装置のオープン.  
                                        
  GRFRM (SGFRM)   フレームの設定.      
                                        
  GRFIG           新たな図の設定.      
                                        
  GRCLS (SGCLS)   出力装置のクローズ.  
                                        

正規化変換

                                                
  GRSVPT (SGSVPT)   ビューポートの設定.        
                                                
  GRSWND (SGSWND)   ウインドウの設定.          
                                                
  GRSSIM (SGSSIM)   相似変換の設定.            
                                                
  GRSMPL (SGSMPL)   地図投影の極の設定.        
                                                
  GRSTRN (SGSTRN)   変換関数の番号による設定.  
                                                
  GRSTRF (SGSTRF)   変換関数の確定.            
                                                

サブルーチンの説明 : コントロール

以下のルーチンは,基本的には対応する GRPH1/SGPACK のコントロールに 関するルーチン(GRSGにかえたもの)と同等な動作をする (GRFIGのみ対応するルーチンはない). 詳しくは「GRPH1」マニュアルを参照のこと.

GROPN

  1. 機能
    図形出力装置をオープンする(初期化処理をおこなう).
  2. 呼び出し方法
    CALL GROPN(IWS)
  3. パラメーターの説明
                                            
      IWS   (I)   ワークステーション番号.  
                                            
    
  4. 備考
    1. GROPN は 内部変数 'IWS'SGISTX で設定して SGINIT を実行する. したがって SGpGET/SGpSETの管理する内部変数 'IWS' は 実行時パラメータによる介入が可能である. (以下,単に「内部変数」というのは SGpGET/SGpSETの 管理する内部変数のことを指す.)
    2. また,GROPNSGpSTXによって内部変数 'LCNTL'.TRUE.にする.

GRFRM

  1. 機能
    新しい作画領域を設定するとともに, 新しい図を描くために必要な初期化をする.
  2. 呼び出し方法
    CALL GRFRM
  3. パラメーターの説明
    なし.
  4. 備考
    1. このルーチンは変換関数に関する内部変数をすべて「未定義」に するとともに,UZPACK, USPACK の初期化をおこなったのち, SGFRM を呼ぶ.

GRFIG

  1. 機能
    新しい図を描くために必要な初期化をする.
  2. 呼び出し方法
    CALL GRFIG
  3. パラメーターの説明
    なし.
  4. 備考
    1. このルーチンは変換関数に関する内部変数をすべて「未定義」に するとともに,UZPACK, USPACK の初期化をおこなう. 一つのフレーム内に複数の図を描くとき,2つ目以降の図を描き始める 前に,そのつど,このルーチンを呼ばなければならない.

GRCLS

  1. 機能
    図形出力装置をクローズする(終了処理をおこなう).
  2. 呼び出し方法
    CALL GRCLS
  3. パラメーターの説明
    なし.
  4. 備考
    1. 内部で SGCLS を呼んでいる.

サブルーチンの説明 : 正規化変換

以下のルーチンは,基本的には対応する GRPH1/SGPACK の正規化変換に 関するルーチン(GRSGにかえたもの)と同等な動作をする. 詳しくは「GRPH1」マニュアル参照.

以下にあらわれるパラメータは,すべて SGpSTXを用いて設定される. したがって,実行時オプションによる介入が可能である.

GRSVPT

  1. 機能
    正規化変換のためのビューポートを設定する.
  2. 呼び出し方法
    CALL GRSVPT(VXMIN,VXMAX,VYMIN,VYMAX)
  3. パラメーターの説明
                                                      
      VXMIN,VXMAX,VYMIN,        (R)   ビューポート.  
      VYMAX                                           
                                                      
    
  4. 備考
    1. なし.

GRSWND/GRSSIM/GRSMPL

  1. 機能
    正規化変換のためのパラメータを設定する.
  2. 呼び出し方法
    CALL GRSWND(UXMIN,UXMAX,UYMIN,UYMAX)
    CALL GRSSIM(SIMFAC,VXOFF,VYOFF)
    CALL GRSMPL(PLX,PLY,PLROT)
  3. パラメーターの説明
                                                                          
      UXMIN,UXMAX,UYMIN,        (R)   ウインドウ.                        
      UYMAX                                                               
                                                                          
      SIMFAC                    (R)   相似変換のスケーリングファクター.  
                                                                          
      VXOFF,VYOFF               (R)   原点のオフセット.                  
                                                                          
      PLX,PLY,PLROT             (R)   地図投影の際の回転角.              
                                                                          
    
  4. 備考
    1. なし.

GRSTRN

  1. 機能
    正規化変換の変換関数番号を指定する.
  2. 呼び出し方法
    CALL GRSTRN(ITR)
  3. パラメーターの説明
                                  
      ITR   (I)   変換関数番号.  
                                  
    
  4. 備考
    1. なし.

GRSTRF

  1. 機能
    正規化変換を確定させる.
  2. 呼び出し方法
    CALL GRSTRF
  3. パラメーターの説明
    なし.
  4. 備考
    なし.


Back to Main


Latex Source


地球流体電脳倶楽部 : 95/6/9 (Version 5.0)

NUMAGUTI Atusi <a1n@gfdl.gov>
Last Modified: Thu Aug 31 13:07:39 EDT 1995