放射MTGメモ(2015/01/07)

参加者

  • 倉本圭, 石渡正樹, はしもとじょーじ, 高橋康人, 齊藤大晶, 大西将徳

系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)

  • 水蒸気大気の地表面付近の net flux について
    • 拡散近似解に比べ, line-by-line 計算の結果は地表付近で小さくなっている.
    • 地表面より下の層からの flux の有無が原因ではないか.
    • ただし, flux が異なる層は光学的に厚い(rossland mean opacity): 分厚い大気なのに, 下からの flux はやってくるのか?
      • non-gray であることが原因ではないか?
  • 水蒸気大気の圏界面について
    • H2O 量が多く, 地表面温度が低い場合には, 上空に行ってもなかなか加熱に転じない
      • 灰色大気モデル(Nakajima et al., 1992) では, 226[K], 10 [Pa] 付近に圏界面が計算される.
      • 倉本バンドモデルで圏界面を見積もると, 190 [K] 付近に圏界面.
      • 現段階では, 220[K] 付近 (1[Pa] 付近) までしか計算していない. この高度までで加熱に転じないことは倉本モデルと整合的. さらに上空まで計算してモデルを検証する.
    • H2O 量が少なく, 地表面温度が高い場合には, 先行研究より低い高度で加熱に転じる
      • 倉本バンドモデルで, 上空の大気が加熱に転じる高度をざっくり評価できる.
      • OLR がかなり大きな場合に, 先行研究よりも圏界面が低くなる可能性がある.
  • 研究の位置づけに関する議論
    • cold trap は, 混合大気を考えて出てくる議論
    • 純粋な水蒸気大気でいえることをきっちり言う
      • 論文の立場としては, 1. pure 水蒸気大気は大事(系外惑星, 過去の地球など) or 2. ちょっと混ぜた場合も加える
      • 短波の計算はどうするか.
    • 圏界面温度と雲
      • 圏界面温度がこれまでの見積もりよりも低くなるのであれば, H2O 雲の存在の可能性が大きくなるかもしれない
    • 先行研究との関係
      • Goldblatt+2013 らの pure 水蒸気大気の計算の位置づけを確認する
      • Kridberg+2014, Ehrenreich+2014, Fraine+2014 らの透過光スペクトルと比較した pure 水蒸気大気の計算の詳細を確認する
  • To Do
    • 地表面付近の光学的厚さのスペクトルを確認
    • pure 水蒸気大気の放射計算を行った先行研究の確認
    • H2O 量が多い系(上空までなかなか加熱に転じない系) で, さらに上空までの計算
    • 倉本モデルで予想された高度に圏界面を仮定した放射計算
  • mtg 資料

木星大気の放射計算 (高橋康)

  • 放射計算
    • いくつかのパラメタでテスト計算(雲なし)
    • 課題: 平衡計算化
  • 赤外観測データの入手
    • 手に入りそうなものもある
  • 研究方針の再考

次回の日程

  • 1/13 (火) 9:00-
    • 10:30- : 石川名誉教授を交えて, H2O 連続吸収の議論の予定.