deepconv テストプログラム: 内部重力波の伝播
ここでは deepconv を用いた内部重力波の伝播を計算するテストプログラムの実行方法を 説明します. この計算では Skamarock & Klemp (1994) で示されている実験設定に準じて います.
実験設定の概要
計算設定の概要は以下の通りです. 具体的な数値等の詳細は設定ファイルを参照してください.
- 計算領域
- 水平方向に 30 km & 5 km, 鉛直方向に 10 km
- x 方向の伝播を計算する場合, x 方向に 30 km, y 方向に 5 km
- 水平方向に 30 km & 5 km, 鉛直方向に 10 km
- 基本場と数値摩擦の設定
- 温度一定の乾燥大気 (300 K)
- スポンジ層なし, 数値拡散なし
- 大気成分などのパラメータ
- 地球大気条件
- 空間 / 時間格子間隔
- 空間格子間隔: 100 m
- 時間格子間隔: 長い時間ステップ 12.0 sec, 短い時間ステップ 2.0 sec
- 境界条件
- 水平方向に周期境界, 鉛直方向に摩擦無し条件
- 初期条件
- 伝播方向の位置 10 km を中心に, 振幅 1 K のガウス型(半値幅 5km)の温位擾乱
- x 方向の伝播を計算する場合, x = 10 km に置く
- 一様流の速さは 20 m/sec
- 伝播方向の位置 10 km を中心に, 振幅 1 K のガウス型(半値幅 5km)の温位擾乱
- 計算モデル時間
- 3000 sec
実験方法
実験は "exp_setup_files/03_gravity-wave" ディレクトリに移動して行います. このディレクトリに設定ファイル "gravity-wave.conf" と実行スクリプト "testrun.rb" が格納されています.
$ cd exp_setup_files/03_gravity-wave $ ls gravity-wave.conf testrun.rb
実験を行うにはスクリプト "testrun.rb" を実行してください. このスクリプト により, 個別の実験を行うための設定ファイル, 初期値ファイルの作成から 実験の実行, 図の作成までが行われます.
$ ./testrun.rb
計算が終了すると, 以下のような個別計算用の設定ファイル, 初期値ファイル / ヒストリーファイル /リスタートファイル, イメージファイルが作成されます.
Imagemagick などでイメージファイルを表示させると, 以下のような結果が確 認できます. それぞれの図は 3000 sec 後の値を示しています.
X 方向の内部重力波の伝播
IMG:03_gravity-wave/gravity-wave_300x5x10_std_std_PTemp_3000.png
Y 方向の内部重力波の伝播
IMG:03_gravity-wave/gravity-wave_5x300x10_std_std_PTemp_3000.png
参考文献
- Skamarock, W. C., and J. B. Klemp, 1994: Efficienty and Accuracy of the Klemp-Wilhelmson Time-Splitting Technique. Mon. Wea. Rev., 122, 2623-2630.
- 気象庁予報部, 2014: 次世代非静力学モデル asuca, 数値予報課報告 別冊第60号