15世紀から17世紀にかけての大航海時代, 地球規模の東西風は貿易風,偏西風 として知られるようになった. この風の成因を初めて力学的に論じたのが ハドレーであった. 彼は, 大気が赤道から極まで, 一つの大きな熱対流として運動していると考え, さらに, 地球が自転している
ことを考慮すると, 低緯度の貿易風が説明できると考えた.
もちろん,現実の大気はそんなに単純ではない. しかし,彼の時代には気象衛星はもちろん, 天気図さえ存在しなかった. しかも,コリオリ が回転系の力学を体系づける1世紀近く前の話である.