地球の海は水深1000mくらいで急激に温度が変わるので, おおざっぱに言えば2層の成層流体である. したがって,そこにケルビン波も存在する.

さらに,赤道はそこでコリオリの力の向きが逆転するので, 赤道をはさんで対称なケルビン波が,

お互いに寄りかかって進む

ことが可能になる. そのようなケルビン波を赤道ケルビン波と呼ぶ.

貿易風で太平洋の西側に吹き寄せられている温かい海水は, 毎年12月になると,貿易風が弱まるため, 赤道ケルビン波として東のペルー沖まで戻ってくる. こうして冷たい海のイワシ漁は終わるのである. これがもともとのエルニーニョである.