Vergeiner and Lilly 4) より.
実際の大気の中でも, 山の後ろにこのような波ができる. この図は西風がロッキー山脈を越えた後に波打つ様子である 4). (垂直スケールが10倍になっていることに注意)

この波の特徴は, 実験でも見たように波面 (等位相面) が

山に覆いかぶさるように傾く

ことで, この観測でもその様子がよくわかる.

このような波に伴い,上昇気流と下降気流ができるので, 鳥やグライダーがこれをうまく使えば, 高く上昇することが可能である. しかし,知らずに飛行機がこの波に突っ込むと危険である. また,この波に伴って山の風下側斜面にはかなり強い風が吹くので, 強風による災害をもたらす場合もある.