飽和蒸気圧

oboro モデルでは主に凝縮相の化学ポテンシャル及びエントロピーを 計算する際に飽和蒸気圧の経験式を用いている. 経験式として, AMD 法, Antoine の経験式の 2 つを用いている. AMD 法の係数は Briggs and Sackett (1998)[1], Antoine の係数は化学便覧[2]から得る.

教科書を見ると Antoine の式の適用可能範囲はおよそ 10 mmHg --- *** mmHg と書かれているが, ここではエントロピーのプロットが問題ないように見える 10 Pa -- 1 MPa までを適用範囲としてそのまま利用している.

×印は化学便覧[2]から得られた実測値. 赤線は経験式から得られた飽和蒸気圧.

化学種一覧
H2O(l) H2O(s) N2(l) N2(s) NH3(l) NH3(s)
H2S(l) H2S(s) CH4(l) CH4(s) C2H2(s) C2H4(l) C2H6(l)


物質名 0 K -- 600 K のプロット 実測値の存在する温度範囲だけプロット
H2O(l)
H2O(s)
N2(l)
N2(s)
NH3(l)
NH3(s)
H2S(l)
H2S(s)
CH4(l)
CH4(s)
C2H2(s)
C2H4(l)
C2H6(l)


参考文献

[1] Briggs, F. H., Sackett, P. D., 1998: Radio Observations of Saturn as a Probe of its Atmosphere and Cloud Structure. ICARUS, 80, p77--103.
[2] 日本化学会編, 1999: 化学便覧, 改訂 4 版. 丸善.

2004-05-27 杉山耕一朗 (sugiyama(at)gfd-dennou.org)