1.4 DCLの構成

DCLは, 下図のようにいくつかの箱に分けて管理されています.


\begin{picture}(520,160)(0,0)\put( 0,110) {\framebox (520, 50){User Contributi......makebox(100,50){ENV2}}\par\put(420, 0) {\framebox (100,100){ETC}}\end{picture}

ここで, 左下の6つの箱(MATH1, MATH2, MISC1, MISC2, GRPH1, GRPH2) はDCL の本体部分です. ライブラリに含まれるメソッド(元サブルーチン)やメソッド(元関数)のFORTRANプログ ラムは全てこの中にあります. この本体部分は「機能」により横に3つ, 処理 の複雑さによる「レベル」により上下に2つ, 計6つの箱にわかれています.

機能による分類で, MATHというのは数学的な処理, MISCはI/O処理等その他の 処理, GRPHは図形処理をさします. レベル分けの基準となる「複雑」さはあく まで相対的なものですが, 以下のような基準を満たすように分類されています.

これらの基準により, レベル1のルーチンはレベル2のルーチンがなくともその 動作が保証され, また, レベル2のルーチンは他の機能のレベル2のルーチンと 独立に扱うことが可能になります. さらに, 特定の計算機に移植する際には, レベル1のルーチンが移植できれば, 自動的にレベル2のルーチンも動作します. さらに, レベル1の箱の中では, MATH1 < MISC1 < GRPH1 のような形でパッ ケージ間の「格付け」がなされており, 箱どうしの依存関係ができるだけ簡単 になるように分類されています.

本体部分の隣にあるENV1, ENV2は電脳ライブラリ本体を使用する際の環境を整 えるために用意されています. ENV1 には主としてインストールに必要となる 道具類や基本データが収められており, ENV2 にはDCLを使ったユーザープログ ラムを実行する時に使うようなユーティリティプログラムが収められています. また, ETCには, 必要不可欠なものではありませんが, あると便利な道具類が 入っています.

DCLのマニュアルは, 箱とレベルで分類されたパッケージごとに分冊化されて います. つまり, MATH1, MATH2, MISC1, MISC2, GRPH1, GRPH2, それに, ETC があります. 環境設定のためのパッケージ ENV1, ENV2 に収められているソフ トウェアは機種依存する部分が多いので, これらのマニュアルはまとめて「機 種別手引」に記載されています. また, 全体にわたるものとして, 「利用者の 心得」「サンプル集」および初心者向けの「ごくらくDCL」と「らくらく DCL」があります.

これらのドキュメントはそれぞれ dcl-x.x/doc/ の下に分けて置かれています. すべての文章は LATEXで書かれており, 簡単に再出力することができます. ただし, ETC に収められている地球流体電能倶楽部の標準スタイル dennou.sty を使っていますので, TEXでコンパイルする際にはそれを取り 込むことが必要です.