gtool4/Fortran 90
リファレンスマニュアル
type(GT_OBJECT)
2001年06月16日
豊田英司
概要
GT_OBJECT 型は図形オブジェクトまたは gtool
変数を表現する型です。
具体的には、GT_OBJECT 型の成分は GT_FRAME, GT_FIGURE, GT_CONTOURS,
GT_LINE, GT_AXIS,
GT_VARIABLE の各型へのポインタです。
GT_OBJECT 型の変数 obj
とオブジェクトの対応付けには、対応あり、対応なし、不定状態があります。プログラムの開始時点においては不定状態です。不定状態の変数はOpen
または Clear しかしてはいけません。これらによって obj
は対応なし状態に確定します。対応あり状態に確定させるには
Bind を用います。
書式
use gtool
type(GT_OBJECT):: obj
手続
- Open(obj)
- オブジェクトの初期化。Open したものは必ず Close
しなくてはなりません。
- Clear(obj)
- Clear は不定状態の
GT_OBJECT 型変数を対応なし状態に確定します。Open
との相違は Close
しなくてよいことです。現在の実装においては Open と
Clear
は同じ動作をしますが、将来の変更に備え、アルゴリズム上
Close が保証できない初期化は Clear
で行うようにしてください。
- Close(obj)
- オブジェクトの終了処理。Open 後に Bind
で結び付けられたオブジェクトをすべて Close します。
- Bind(parent, child)
- オブジェクト parent に子オブジェクト child (現在
GT_OBJECT 型のみを実装)
を関連付けます。子オブジェクトを明示的に
Close する必要はなくなります。
- Bind(GT_FIGURE fig, obj)
- オブジェクトを図に描画します。オブジェクトに(等値線群、線グラフなどの)もともと図と
Bind
できるものが格納されていなければエラーになります。
- Option(obj, option, value, err)
- オブジェクト obj の子オブジェクトのオプション option
(現在文字型のみを実装)を操作します。値が必要な場合は
value (現在文字型のみを実装)
が用いられます。許容される option
の集合はオブジェクトの種類によって異なります。オプション option
が許容されない場合は err が真になります。
- Display(obj)
- 表示 [実装予定]
- Load(obj, var)
- オブジェクト obj に変数 var (GT_Variable
または文字型で変数URLを指定)
から読み取ったオブジェクトを格納します。var
がデータ変数の場合、オブジェクトはデータ変数に対応するようになります。
- Save(obj, filename)
- オブジェクトを変数 filename に格納します。
- Inquire(obj, type)
- type
にオブジェクトが所持している構造体のクラス名を返します。