実際に式(33)を(19')(32')を 用いて計算する. 計算設定は Zalesak(1979) と同様のもの, 初期値の与 え方は Smolarkiewicz(1983) で用いられたもの同様とする.
比較のためまず上流差分スキームを用いて計算を行なった. スキームを 書くと以下のようになる.
1回転後(628ステップ)と3回転後(1884ステップ)後の結果をFig.とFig.9にそれぞれ示す. 上流差分では数値拡散が大きいた め1回転後で既に初期分布は大きく損なわれている. 3回転もすると初期 分布はあとかたもなくなってしまう.
同様の計算を FCT を用いて行なった. 低次のスキームに上流差分, 高次 のスキームに2次中心差分を用いている. 1回転後(628ステップ)と3回転後 (1884ステップ)後の結果をFig.10とFig.11にそれ ぞれ示す. 全体的に数値拡散は抑えられているが, 山の頂上付近が削られ てしまい clipping が回避できていないことを示している.
続いて初期値分布を変えて同様の計算を行なった. Fig.7で円 錐を置いた所に同じ高さを持つ円筒を置く(Fig.12参照). こ こでも低次のスキームに上流差分,高次のスキームに2次中心差分を用いた. 1回転後(628ステップ)の結果をFig.13に示す. 初期値に円錐 分布を与えた場合と比べ clipping はあまり目立たない.