Boris and Book(1973) では(4)または(5)のスキー ムに対して FCT を施したが, 拡散を含むような他のスキームに対しても 応用することができる. 例えば上流差分に FCT を応用すると以下のよう な手順で計算を行なう(Book et al., 1975).
この場合 antidiffusive フラックスが となっているだけで, 手順は先に示した SHASTA の場 合と同様である. つまり用いるスキームの antidiffusive フラックスが わかれば, FCT は簡単にそのスキームに適用することができる.
しかし当然のことながらスキームごとに antidiffusive フラックスは異 なる. よって適用するスキームを変更すると一から考察しなおさなければ ならない. これは結構面倒である. 実際に計算するときには一からコード を組み直さなければならなくなるからである. 何らかのより一般的な FCT の定義法があれば, スキーム全体の見通しの点や実際に計算を行なう上で 便利である.