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: 4 参考文献 : DCPAM4 第2部 離散化 : 2 座標系・変換公式


3 支配方程式・力学過程

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0.4 はじめに

この章では支配方程式を離散化する. 空間に関する離散化である鉛直離散化と水平離散化の方法 並びに時間に関する離散化について記す. 8 88

0.5 鉛直離散化

ここでは支配方程式を鉛直方向に離散化する. Arakawa and Suarez(1983) に従って, 基礎方程式を鉛直方向に差分によって離散化する9. 各方程式の離散化表現は次のようになる.

0.5.1 連続の式, 鉛直速度


(21)


(22)


(23)

0.5.2 静水圧の式


(24)
   


(25)
   

ここで,
(26)
(27)

0.5.3 運動方程式


(28)


(29)

ここで,
 
    (30)


 
    (31)

ここで,
 
  (32)


(33)


(34)

0.5.4 熱力学の式


 
     

ここで,
 
     
     
   
     
     
    (35)


(36)
  (37)


(38)
(39)

0.5.5 水蒸気の式


(40)


(41)

9 99

0.6 水平離散化

ここでは支配方程式を水平離散化する. 水平方向の離散化はスペクトル変換法を用いる(Bourke, 1988). 経度, 緯度に関する微分の項は直交関数展開によって評価し, 一方, 非線型項は格子点上で計算する. 各方程式のスペクトル表現は以下のようになる.

0.6.1 連続の式


 
    (42)

ここで,
(43)

0.6.2 運動方程式


 
   
  (44)


 
   
   
  (45)

ただし,
(46)

0.6.3 熱力学の式


 
     
     
     
    (47)

ただし,
(48)

0.6.4 水蒸気の式


 
     
     
    (49)

9 99

0.7 時間積分

ここでは時間積分スキームについて記す.

時間差分スキームは基本的に leap frog である. ただし, 拡散項および物理過程の項は後方差分もしくは前方差分とする. 計算モードを抑えるために時間フィルター(Asselin, 1972)を用いる. さらに を大きくとるために, 重力波の項に semi-implicit の手法を適用する(Bourke, 1988).

0.7.1 leap frog による時間積分と時間フィルター

移流項等の時間積分スキームとして leap frog を用いる. 水平拡散項には の後方差分を使用する. 物理過程の項( )には の前方差分を使用する. ただし, 鉛直拡散の時間変化項の計算に関しては後方差分的な取扱いをする. また, 対流・凝結過程に関しては 一度それらを考慮せずに時間積分して, その後で場を修正するという形式をとる(adjustment). 摩擦熱の項も補正として扱う.

各予報変数の総体を と表すと,

(50)

は移流項等, は水平拡散項, は物理過程等による項である.

には, 摩擦熱( )および 対流・凝結過程( )の補正が加えられ, となる.

(51)

leap frog における計算モードの除去のために Asselin(1972) の時間フィルターを毎ステップ適用する.

すなわち,

(52)

とを求める. としては標準的に 0.05 を使用する.

0.7.2 semi-implicit 時間積分

方程式系において, であるような静止場を基本場とする 線型重力波項とそれ以外の項(添字を付ける)に分離する. 鉛直方向のベクトル表現 , を用いて,

(53)


(54)


(55)

ここで, 非重力波項は,

 


(56)


(57)


(58)


 
     
     
     
     
    (59)

また, 重力波項のベクトルおよび行列(下線で表示)は,

(60)


(61)


(62)


(63)


(64)


(65)


(66)

ここで, 例えば は, が成り立つとき 1, そうでないとき 0 となる関数である.

次のような表現を使用して,

(67)


 
  (68)

方程式系に semi-implicit 法を適用すると,
(69)


(70)


(71)

すると,

     
     
     
    (72)

球面調和関数展開を用いているので,


であり上式を について解くことができる. その後,
(73)

および, (3.52), (3.54) により における値 が求められる.



... 基礎方程式を鉛直方向に差分によって離散化する9

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: 4 参考文献 : DCPAM4 第2部 離散化 : 2 座標系・変換公式
Yasuhiro MORIKAWA 平成19年7月31日