DCPAM 作業ミーティング記録 (2016/07/05)
参加者
- 北大
- 石渡, 荻原, 成田
- 神戸大
- 高橋(芳), 松田
松田からの報告
Ishiwatari et al. (2007) を読んだ. 全球凍結とか暴走温室状態の計算において雲の効果がどのように 効くかに興味を持った. 今後, そのような問題に関する研究に進むことを考えている. 具体的には, これから相談.
次に読む論文も考える. 侯補は Yang et al. (2014). これについても相談しつつ決める.
まずは地球設定の DCPAM 計算をできるようにする.
石渡からの報告
陸惑星実験
- DCPAM 20160217 版を使用
以前は, SX-ACE で underflow が出て途中で止まってしまった.
その後, コンパイルオプションでアンダーフローを「無視する」 指定をおこない実行を続けてみていた.
SX-ACE のコンパイルオプションで追加したのは 「-C hopt」と「-Wf'-M noinv'」の 2 つ.
「-C hopt」の指定した場合, アンダーフローが発生した時に 結果には定数の0.0が返される. しかし,アンダーフロー抑止で返された結果の 0.0 を計算で使用した ことにより,Invalid operation を起こすことがある. 更に「-Wf'-M noinv'」を指定すると 上記の Invalid operation を 例外エラーとはせず, 計算結果を「NaN」に置き換え実行を続けさせる.
これで 52 年ちょっと走ったのだが, また途中で止まってしまった. relaxed Arakawa-Schubert のところで Mass of water vapor in a column is negative となってしまった.
これからまた対処法を考える.
- ちなみに 52 年目までの陸惑星実験の結果は以下の通り. 赤道域で完全に乾いてない. 定常になっていないのか, 年ごとの変動が見えているだけなのか, これから結果を良く見る予定.
- 高橋芳幸コメント 5 月に Arakawa-Schubert で 水蒸気が負になってしまう問題には手を入れたので それを試してみるべし.
荻原からの報告
- 先週, ローカルなセミナー (TV 会議で北大・神戸・九大・岡山大を接続) で 地形がない場合と東西一様地形を入れた場合でのダストデビルダスト巻き上げ フラックスに関する考察の話をした. その際, いくつか課題が出てきたので, そのリストをまとめておくようにする.
- 現実的な地形を用いた場合においてダスト巻き上げフラックスは
どのように決まっているか, という問題の考察の続き.
観測された地形の場合で得られた地表面風速・ダストフラックス と 地形無しの場合の場合で得られた地表面風速・ダストフラックス との差を見ていた.
平面分布だと数字の比較がしづらかったので 10S から 30S まで緯度平均したダスト巻き上げフラックスと 地表面風速の経度分布の図を作成した.
地形無しの場合では, 地表面風速とダストフラックスではピークの位置が経度にして 30 度くらい ずれてる.
観測された地形を用いた場合では, 時間(太陽直下点の位置) によって 地表面風速とダストフラックスではピークの位置がずれたりずれなかったりする.
観測された地形を用いた場合の結果から地形無しの場合の結果を引いたものの 差の絶対値は, 観測された地形を用いた場合で得られる結果の 1/2 から 1/3
地表風速の差の分布とダストフラックスの差の分布はピークが一致する 時間もあれば一致しない時間もある.
直下点がヘラスに近づく時には地表風速の差は負に, 直下点がタルシスに近づく時には地表風速の差は正になる傾向があるように見える.
これらの違いと, 午後であるか午前であるかの違いはあまり関係ないように見える.
TODO そもそも分布見る前に積分量がどのくらい違うのか確認しておくべき. ダストデビルによるダスト巻き上げフラックスの空間積分値の図を書く.
時間平均の緯度経度分布, 時間経度平均した緯度分布も書いてみる.
次回日程
2016 年 07 月 14 日 (木) 10:00 TV 会議にて. 接続希望は dcmodel@gfd-dennou.org (荻原) まで.