1 はじめに
1.1 NetCDFインターフェース
Network Common Data Form、すなわちNetCDFは、配列形式のデータを格納・取り出すためのデータアクセス関数ライブラリへのインターフェースです。配列(array)とはn次元(nは0,1,2,…)の矩形構造を持ち、その要素がすべて同じデータ型(data type)(例:8ビット文字、32ビット整数)のものを指します。スカラー(scalar)(単純な一つの値)は0次元の配列です。
NetCDFは、データとは自己記述的でポータブルなオブジェクトの集合体であり、簡単なインターフェースを通じて取り出し可能であるべきであるという見方を支持する抽象概念です。配列値はデータの格納方式に関する事前の知識なしに直接アクセスできます。データに関する補助的な情報(例えば単位等)はデータとともに格納できます。NetCDFのデータベースは、一般的なユーティリティやアプリケーションプログラムを使用してアクセスでき、データの特定フィールドを変換・統合・解析・表示することが可能です。そのようなアプリケーションの開発はデータの有用性を向上させ、また、配列指向型のデータの管理・解析・表示を行うソフトウェアの再利用性の向上に繋がるでしょう。
NetCDFソフトウェアは抽象的データ型(abstract data type)を利用します。これはNetCDFファイル内のデータにアクセス・操作する命令はすべてインターフェースによって提供されている関数のみを使わなければならないということです。データの表現はインターフェースを使うアプリケーションからは隠されており、データの格納方式は既存のプログラムに影響を及ぼすことなく変更できます。NetCDFデータの物理的な表現方法は、データが作成されたコンピュータから独立しているように設計されています。
UnidataはC・FORTRAN・C++・Perl・色々なUNIX OSのためのNetCDFインターフェースをサポートしています。このソフトウェアは各メジャーリリース前に、他数種類のOS用にこれらのOSのユーザーの助力で移植テストが行われています。UnidataのNetCDFソフトウェアは幅広い利用を促進するためにFTPを通じて無料で配布されています。
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