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: 2 断熱温度減率・静的安定度の近似系 : 1.2 惑星大気の静的安定度の計算 : 1.2.2 気塊内で凝縮が生じる場合

1.2.3 気塊の分子量が変化しない場合

従来の研究では, 大気中の可凝縮成分は十分に少ないと仮定し, 大気の平均分子量と平均比熱は乾燥成分のそれに等しいと見なす ことがままある. そこでそのような場合についても式を求めておく. この場合, (9) 式の 右辺第 2 項の分子量効果が無視できるので,

$\displaystyle N^{2}
=
\frac{g}{T}
\left(
\DD{T}{z} + \frac{M_{d} g}{{c_{p}}_{d}}
\right)$     (12)

と書ける. 但し凝縮成分が十分に少ないので, 気塊内で凝縮は生じず, 気塊の分子量と比熱は乾燥成分の値に近似した. すなわち静的安定度は湿潤断熱減率と乾燥断熱減率との差から見積も ることができる.


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SUGIYAMA Ko-ichiro 平成17年8月21日