FORTRANは1950年代から使われている, 
もっとも古い高級言語である. 
1966年に FORTRAN66 として規格が定められ, 
その後, 1978年に全面的に改訂されて FORTRAN77 となった. 
  
このように, 長い歴史を持つ言語だけに, 
FORTRANで書かれたライブラリーは膨大な量にのぼる. 
反面, C言語など新しい言語が数多く存在する現在では, 
古い歴史を引きずった堅い(融通の効かない)言語という印象も免れない. 
しかしながら, 
FORTRANには科学計算用の言語として, 
他の言語にはない使いやすさがある. 
単に「蓄積が大きい」というだけでなく, 
この「使いやすさ」こそ, 
FORTRANが30年以上も使い続けられてきた真の理由である. 
  
FORTRANに限らず, どんな言語でもそれを使いこなすのは, なかなか大変である. 幸にも, FORTRAN の仕様は比較的小さい(文法書が薄い)ので 学習は容易なほうであるが, それでもFORTRANを``極める''のは容易なことではない. MATH1を含む地球流体電脳ライブラリでも, 入門書に書いてない「奥義」をかなり使っている. もちろん, これらの知識がなくても電脳ライブラリを使うことは可能である. しかし, 電脳ライブラリをよりよく理解し上手に使いこなすためには 是非とも知っておいていただきたい. また, これらの知識は応用範囲が広いので, 一般のFORTRANプログラムを書く際にも, きっと役にたつはずである.