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ら推定される質量輸送量をスベルドラップ輸送量と呼ぶ. もし実際の海洋におい
て(40) 式のバランスが成り立っていた場合には, この式によって海洋
の南北質量輸送量を風応力だけから推定することができる.
で割り東西に積分したもの, すなわち風応力か
ら推定される質量輸送量をスベルドラップ輸送量と呼ぶ. もし実際の海洋におい
て(40) 式のバランスが成り立っていた場合には, この式によって海洋
の南北質量輸送量を風応力だけから推定することができる.
たとえば Hellerman and Rosenstein (1983)[3]の年平均風応力デー タを用いて風応力の回転を求めると図 3 の ようになる. これを見ると, 北半球 の中緯度では負, 南半球の中緯度では正となっているのが分かる. (40) 式によれば, 両半球とも中緯度において赤道向きのスベルドラッ プ輸送量となる. 図 3 から流線関数場を求 めたものを図 4 に示す. ただしこれ は東岸における境界条件を 0 として西に向かって積分したものである. すなわ ち東岸境界層が存在しないことを仮定して求めたものである. これを見ると第 0 近似としては海洋大循環の力学的バランスが (40) 式で定性的に表さ れるように思える. それでは定量的にはどの程度 (40) 式のバランス が成り立っているのだろうか? これについて論じたものが, 小生が日本海洋学会 誌「海の研究」に投稿した総説「西岸境界流の流量は風応力から推定できるのか」 である.