Kelvin波 |
臭化メチレンでわざわざ比重を水より重くして, 下層の流体として使うのは, 「水で蓋をする」という重要な意味がある.
で, 私は早速, 薬学部の図書室に行って司書に聞いたところ, 良く分からないので薬学部の先生を紹介してくれた. そこで, その先生をたずねて行くと「そんなデータはどこかにあるはず ですが, 探すより測った方が早いんじゃないですか」ということで, 測定機を持っているという農学部の先生を紹介してくれた. 早速, 電話をかけてみると「測定機はあることはあるんですけど, 今故障していまして... 宇治の化学研究所にはちゃんと動いている機械が ありますから, そちらをたずねてみられたらどうでしょう」 だんだん核心に近づいて来たかな, と期待を膨らませつつ, 化学研究所に問い合わせたところ, 私がほしい「角度のデータ」をとるオプションは持っていない ということだった.
こうなったら少しぐらいお金を出しても仕方がない. 民間企業を当たってみることにした. まずは近くの島津製作所. ここには測定機械がなかった. でも, 「東レリサーチセンターなら測定機を持っているでしょう」 という心強い情報を得た. 今度こそとばかりに東レリサーチセンターに電話をかけたら, いきなり「サンプル数はどのくらいでしょう」ときた. 「やった−」とばかりに, 具体的な話を進めて, 金額の相談に入った頃, 「ちょっと待ってくださいよ. お客さんのほしいデータはなんでしたっけ」 結局, ここも化学研究所と同じで「角度」のデータを出すオプション 装置は持っていなかったのである.
これ以後, 私は「その辺にあるはず」という言葉は現物を見るまで いっさい信用しない.
後で理屈を考えてみると, 波長が短いほど旋光度が大きいので, 波長の短い青色の光が180度近く回ってしまうと波長の長い赤と 区別できなくなってしまい, 色が鮮明にでないらしい.
ただ, この実験での「色」の感じ方は, 肉眼, ビデオカメラ, フィルムそれぞれに異なり, 肉眼でみるのがもっともきれいに 見える. ビデオカメラの映像は肉眼とは色合いが異なるものの, 比較的鮮明に撮れる. 写真撮影がもっとも難しい.