図 3a
はダストのない場合の水平平均した温度と温位の日変化である.
日中は温位が鉛直に一様な層が形成される.
この領域では対流による熱輸送が卓越している
(以下この領域を対流層と呼ぶ).
対流層の厚さは夜間に形成される温度逆転層を解消すると急激に成長し,
LT = 16:00 頃に最大約 10 km となる.
地面付近には不安定な温位構造を持つ熱境界層が形成される.
夜間は赤外放射冷却によって高度 2 km 以下に強い温度逆転層が形成される.
高度 10 km 以上の安定成層領域 (以下この領域を成層圏と呼ぶ) では,
温度の日変化振幅は 2 K 程度である. 成層圏の日中の温度上昇は CO2
の近赤外放射加熱によってなされている.
図 3a に示した日中の対流層の厚さは,
同じ季節と緯度条件で計算された
Pollack et al. (1979)
の鉛直 1 次元モデルの結果に比べ約 1 km 厚い.
これは成層圏への対流プリュームの貫入が表現されるようになったためである.
夜間の温度分布は
Pollack et al. (1979)
の結果にほぼ一致する.
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図 3a: 水平平均した (左) 温度と (右) 温位の時間変化. ダストのない場合.
6 日目の結果を LT = 8:00 から 4 時間毎に表示.
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その他の平均場の日変化
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