: 5 放射
: DCPAM4 第1部 数理モデル化
: 3 支配方程式・力学過程
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大気大循環モデルにおいては
積雲を様に表現するだけの分解能を持たないので,
雲の発生する条件
並びに雲が大気大循環に与える影響については
何らかの方法で評価せざるを得ない.
雲が発生する条件および
雲が大気大循環に与える影響のうちの
熱・運動量輸送効果については4,
大規模場の速度や熱力学的諸量から評価することが多い.
この評価方法は一般に積雲パラメタリゼーションと呼ばれ,
特に以下の型のものが良く用いられる.
- 湿潤対流調節
- クオスキーム
- 浅い積雲5
- 荒川シューバートスキーム6
また, そもそも大気が過飽和状態にあれば降水が起こる.
これを大規模凝結という.
以下では各種パラメタリゼーション並びに大規模凝結について解説する.
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連続した 2 つのレベルの間の層において, 次の条件が
満たされる時調節を行う.
- 温度減率が湿潤断熱減率よりも大きい
- 飽和もしくは過飽和.
上記の条件 (1) に関して,
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の条件を, 「水蒸気が少ない」という近似をふんだんに
用いて書きかえると
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となる.
上記の条件 (2) に関しては, そのまま使う.
これらを用いて温度と比湿を調節するのが dcpam のデフォルトの
湿潤対流調節スキームである.
以下, スキームの定式化の説明を行う.
(差分法と混ざった話になってしまっているので, あとでちゃんと整理が
必要だとおもう).
比湿と温度を,
から へ
調節するものとする.
条件式は以下の通りである.
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解は以下のようになる(で, 良いんだっけかな?)
が一定の場合,
全部 を使って書き換えた.
更に変形すると
これより, となる条件は
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の式をどのような形にするのが best なのかは
よくわからない.
とりあえず, 扱いが容易かなと思った分母を全部払った
形にしてみる.
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この式の両辺に をかける.
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更に をかければ
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近似をせずに, 分母を払った形の式をそのまま離散化する.
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ここで,
とすると(これ, 本当は良くないのだろう. については
Arakawa and Suarez (1983) の正しい補間式を使うべきなような気がする.
しかし, agcm5 時代に, サブルーチンの引数を変えるのが嫌だったので
こうしている. dcpam ではサブルーチン内で を作る
のでも良いかもしれない),
潜熱が大文字になっちゃった...
最初から にしておくべき.
などを使って書き換える.
ここで, 以下の変数達を導入する.
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これらの記号を用いて, 先程の式を書き換えると以下のように
なる.
この式をまともに解くことは大変なので, やむをえず近似する.
が 2 つ以上かかった項を無視することにする.
おそらく「1 次近似」と言って良いのだろう, とは
思っているが, この近似の妥当性に関して現段階ではまったく
検討していない.
式を展開しつつ「2 次以上の項」を順次無視していくと, 以下のようになる.
更に第 1 項を展開する.
この式を
の項と の項に
まとめていく. まずばらす.
ついで, まとめる.
ここで, 以下のように変数をまとめる (前の とはちゃんと対応
しているんだろうね???).
これより,
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となる.
ここで, より得られる
を代入すると
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これを, について解けば
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- ...
熱・運動量輸送効果については4
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- ... 浅い積雲5
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dennou モデルには Tiedtke による, 係数を増やす形のもの
がある.
- ... 荒川シューバートスキーム6
-
dcpamには現在存在しない.
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Yasuhiro MORIKAWA
平成20年6月10日