: この文書について...
: 4 従来の論文との比較
: 4.1 Achterberg and Ingersoll
中島 (1998) は湿潤断熱温度減率と静的安定度を以下のように与えた.
ただし物理量を示す文字を変えてある.
ただし添字 の付いた量は単位質量当たりの量で,
は乾燥成分の単位質量当たりの気体定数,
は可凝縮成分
の単位質量当たりの気体定数,
は単位質量当た
りの乾燥成分の比熱,
は単位質量当たりの潜熱
である. は上昇流域での可凝縮成分の混合比であり, 気塊の周囲の大
気の混合比を湿度 を用いて とした.
以下では, 前節で求めた湿潤断熱温度減率と静的安定度が, それぞれ (63), (65) 式で表現されることを示す. また () と (65) 式を変形することで (64) と
(66) 式がそれぞれ導かれることを示す.
(63) 式は (60) 式において,
とすることで直ちに求ま
る. さらに凝縮成分の少ないとする条件が成立する場合には
となるので, (64) 式は以下のように導出される.
ただし の 2 次の項は無視した.
ちなみに木星の温度条件の場合, この近似が成立する条件はおおよそ
である.
静的安定度の式 (65) は, 静的安定度の式 (55) において, 単位モル当たりの
量を単位質量当たりの量に変換し, 凝縮成分の少ない条件下でのモル比と混合比の関係式
(61) および分子量の関係
(62) を用いることで求まる.
ただし
とした. さらに (65) 式の変形を
行う. (31) 式を の式に書き換えると,
となる. ただし は小さいので,
とした. (67) 式と (64) 式を (65) 式に
代入することで, (66) 式が得られる.
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: 4.1 Achterberg and Ingersoll
SUGIYAMA Ko-ichiro
平成17年8月21日