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: 3.5 多数の凝縮成分を考慮した場合の木星大気の静的安定度 : 3 木星の水雲を想定した計算例 : 3.3 湿潤断熱温度減率

3.4 静的安定度

Fig.10 において, case2($T = 300$K)での静的安定度を プロットする. 凝縮成分のモル比を増加させると, 乾燥断熱温度減率はほぼ一定にも関わらず湿潤断熱温度減率は 緩やかに減少するので, 静的安定度の値はゆっくりと増加する. しかしモル比が 0.1 を超えたあたりから分子量変化の効果 ($M$ $M_{d} = 2.323 \times 10^{-3}$ から $M_{d} = 18 \times 10^{-3}$ まで変化)によって, その値が急激に増加する.

Fig.11 には, case1-case4 の場合として, 温度 $T$ を変化させた場合の静的安定度を示す.

図 10: $T = 300$ K での静的安定度. 凝縮成分のモル比を増加させると, 乾燥断熱温度減率はほぼ一定にも関わらず湿潤断熱温度減率は 緩やかに減少するので, 静的安定度の値はゆっくりと増加する. しかしモル比が 0.1 を超えたあたりから分子量変化の効果 ($M$ $M_{d} = 2.323 \times 10^{-3}$ から $M_{d} = 18 \times 10^{-3}$ まで変化)によって, その値が急激に増加する. 赤線; 近似なし((40) 式)を用いた場合. 緑線: 凝縮成分の少ない近似((42) 式) を用いた場合. 青線: 凝縮成分の多い近似((43) 式) を用いた場合. 紫線: 分子量の増加する効果を調べるために, 近似なしの式 (40) において, 分子量と比熱を定数と見なした場合.
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\Depsf[120mm]{ps/Stab.ps}
\end{center}\end{figure}

図 11: 温度 $T$ を変化させた場合の静的安定度. 静的安定度は温度の逆数に 比例するので, 温度が高くなるほど静的安定度の値は小さくなる. 緑線は case1 ($T=200$K), 赤線は case2 ($T = 300$K), 青線は case3 ($T=400$K), 紫線は case4 ($T=500$K).
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\Depsf[120mm]{ps/StabList.ps}
\end{center}\end{figure}


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: 3.5 多数の凝縮成分を考慮した場合の木星大気の静的安定度 : 3 木星の水雲を想定した計算例 : 3.3 湿潤断熱温度減率
SUGIYAMA Ko-ichiro 平成17年8月21日